全財産25万円をおろし旅に出てみた。
もう帰る場所はない。アパートも解約してきた。
この25万円で、
心の止まった場所で、
これからを生きていこう。
ボクは海が好きだから、南へ南へと進路を進めた。
残金22万円で降り立った場所は、箱根だった。
箱根の温泉街へふらりと立ち寄り、
節約のため公園で寝る。
こんな生活をとりあえず1週間過ごしてみた。
その間は、日がな一日公園で遊ぶ親子をみていたり、
寝るだけであったり、
特に何をするという訳ではない。
ただ、この公園に居着いていても、
通報されないのはこの街は人に寛容なのだと思った。
この街に決めよう。
ボクはパンの耳をかじりながら、
働けそうな場所をしらみつぶしに探して歩く。
そこで出会った女性がボクの運命を変えた。
花をあしらえた浴衣。
ぬれた髪のつややかなうなじ。
あんな人がボクの奥さんだったら・・、
とぼーっと考えてしまった。
思いもよらず、その女性から話しかけられたボクだった。
「あなたね。次の質問に答えてちょうだい。
この温泉街で一番人気のお風呂屋さんは?」
「え?」
「さあ、はやく。」
(なんなんだこの人・・・・。)
「え・・・っと、ちょっとわかりません。」
「あらそう、違ったのね。死んでもらうわ。」
「え?」
「そこまでだ!コードネーム0930!!」
「!?しまった!」
「警部!やっと追いつめましたね!」
「ああ、取っ捕まえてやる!!」
「ぷるるるる〜ん」
「ぱるる」
「くそ・・・。」
「警部・・・。」
いったい何がおこっているんだろう。
女の人は、ぱるる?ってなったし。
「やつもぱるるが使えただなんて。」
「警部、我々もぱるるを・・・・。」
「いや、この時代に使うのはまずい。
ビョブンで応戦するんだ!」
「では、まずはモンドゴラスの石を手に入れましょう!」
「だな、宮城に飛ぶぞ!」
「はいっ!」
気づくとボクは全財産とともに心も奪われていた。
警部・・・すてきだな・・・。
ボクも宮城に行こう!
2008年8月31日日曜日
初恋泥棒未遂事件 in 箱根
2008年8月29日金曜日
宇宙職業
「お喜びください。星埋の試験に合格しました。」
息子からの3年ぶりのメッセージ。超難関といわれる
星埋の試験に3年で受かる快挙は、
あらゆるの記録を塗り替えた。
しかし、その後息子からのメッセージはおろか、
消息さえも不明となった。
そんなある日のこと。
身の周りが震えだした。
頭をよぎったのは、まさかこの星が
星埋にあうのでは!?
外に飛び出し空を見上げると、
巨大な黒い球体が浮かんでいた。
光った瞬間、私たちは死んだ。
「警部!・・・・・。あ〜酸っぱいな。」
「ああ、この定食についている梅干しはくるな〜!」
「梅干の産地は和歌山でしたよね?」
「ああ、最近は干し梅も人気だな。」
「果肉はうまいのですが、種が邪魔だと思いません?」
「いやいや、この種の中にまたおいしい部分があるのだよ。
ワネを割ってごらん。」
「カリ!ああ、おいしいですね〜。」
「だろ〜。」
眩しい光に照らされ、私はうっすらと目をあけた。
生きてる。死んだはずじゃ・・・。
隣には妻が寝ている。
私は起き上がりあたりを見渡すと、
大勢の人が同様に寝ていた。
「ここはいったいどこなんだ・・・。」
そのとき声が響いた。
皆さんがいる場所は、星の内部です。
ご存知の方もいらっしゃると思われますが、
我々の住んでいた星は、
星埋にあいました。
そのため、皆さんをつれて内部へ避難したのです。
我々は地下組織となり、
星埋をおこなった者、政府に一矢報いるのだ!
「うおぉ〜〜〜!!」
人々がどよめきたった。
星埋を行ったのが息子でなければよいのだが。
「警部〜。」
「飯は食ったんだから、ちゃんと働け!」
「こんな草むらに慰留物がある分けないじゃないですか。」
「あると思ったところにないのだから、
ないと思ったところにあるはずだ。」
「はあ、そんなはずが・・・ん?」
「どおした?」
「これは・・・、薬莢が見つかりました。」
「ふふふ、これで犯人へと一歩近づいたな。
鑑識にまわすぞ!」
「はい!」
2008年8月28日木曜日
ぶりっこちゃん
「え〜、だぁってぇ〜わぁ〜たぁしゅいぃ〜♡」
男たちのマドンナぶりっ子は、
女性からはあまり人気がない。
その理由はおよそ察しがつくはずだ。
今日もマドンナの周りは男子生徒たちで
覆われている。
それをよく思わない女子生徒たちは、
はぎしりをして遠くからみている。
ある日、一人の女子生徒が、
男子生徒たちをかき分け、
いよいよナイフでマドンナに襲いかかった。
幾度も突き立てられたナイフは、
きれいな顔へも数回及んだ。
マドンナは廊下に倒れ込み、
血が排水溝へと流れていく。
周りの男子生徒は、何がおこったのか理解できず、
ボーゼンと立ち尽くしている。
女子生徒はこういった。
「あんたみたいなのがいるから
あんたみたいなのがいるから!」
マドンナは救急車で運ばれていった。
一命は取り留めたものの、
顔には深い傷跡がのこった。
半年してマドンナが学校へ帰ってくる日、
以前と変わらぬよう男子生徒が埋め尽くした。
だが、マドンナの顔には包帯が巻かれていた。
傷跡が残ったと聞いているが、
きっと、少しぐらいのことだろうと、
男子生徒たちは話していたため、
以前と変わらぬようにマドンナと接していた。
「おかえり!マドンナ!」
「あいたかったよマドンナ!」
口々にラブコールが送られる中、
始終うつむく彼女は、突然
するすると包帯をほどきはじめた。
「これでも仲良くしてくれるの?」
あらわになった彼女の顔を見て、
男子生徒たちは騒然とした。
「か・・・カメムシがとまってるよ・・・・。」
初めてお酒を飲んだ。
ある日のこと、
僕の中でイカがするめになった。
コンビニにビールを買いに走った。
イカをあてに、
僕は初めてビールを飲んだ。
苦いけど、おいしかった。
「そうか・・お前も苦労したんだな〜。」
「うわっ、警部は泣き上戸なんですね。」
「・・・・。」
「どうしました?警部?気分でも悪いんですか?」
「泣き上戸、泣きじょうご、なきじょうご、nakijyougo・・・・!?そうか!」
「警部?」
「そうだよ、なきじょうごは東北の方言でなきじょうろっていうんだ。」
「はあ・・。」
「つまりこういうことだ!涙でいっぱいになったじょうろで・・・。」
「じょうろで?」
「涙がいっぱい、じょうろじょうろ、まてよ・・・女郎かっ!!」
「悲しい女郎のお話ですか?」
「いや、俺は重大なミスを犯していたようだ・・・よし、島根にいくぞ!」
「ええ、2,3日なら大丈夫です!」
「そうか、すぐチケットの手配をしてくれ!早くしないと犯人が証拠を消してしまう!」
「了解しました!直ちに手配します!」
「すまない、でも、これはおもしろい謎がとけたぞ!!」
「ふふふふふ!」
「ふふふふふ!」
2008年8月25日月曜日
アンドロイド2100
博士はついにアンドロイドを完成させた。外見が人間とかわらないものは
とうの昔に完成しているが、今日まで開発の困難を極めたのは精神の設定だ。
精神といっても繊細なプログラムにすぎないのだが、
アンドロイドの「人間に役立つ」という目的を達成するべく、
細心の注意とともに理想とする人間性のプログラム構築に博士は成功した。
人を傷つけないのはもちろんのこと、
「困っている人間がいた場合助ける。」
「嘘をついてはいけない。」
の2点が核とされている。
完成発表会を2日前に博士は何者かに殺され、アンドロイドはめためたに壊されていた。。
警察は、他国のスパイがアンドロイド制作の技術の略奪ではないかと
推測している。
「警部!博士の研究室に監視カメラが設置されていたそうです!」
「そうか、映像に犯人が移っているかもしれないな!さあ、検証するぞ!」
「はい!」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・!?これはいったい・・。残念だ。
アンドロイドはまだ完全じゃなかったんだ・・・。」
映像の内容はこうだ。
殺された研究室に慌てふためいた博士が入り込み、
アンドロイドに助けを求めている。
アンドロイドは一つのロッカーを指差し隠れるように指示をした。
急いでロッカーに隠れたと同時に、
スパイと思われる黒ずくめの男が拳銃片手に入ってきた。
周りを見渡し博士を捜している。
男はアンドロイドに博士の行方を聞いたところ、
ロッカーを指差した。
男はロッカーに銃を乱射すると、弾痕から赤い血がたれ、
あたりは血の海とかした。
男はアンドロイドを破壊し、研究資料を鞄に詰め込み部屋を出た。
男のいなくなった後、息も絶え絶えになった博士がロッカーから
這い出てつぶやいた。
「嘘も必要な要素だったのか・・・・。」
「起きてください!警部!」
「あ?ああ・・・。すまない。」
「よほどお疲れのようですね。夢の中でも仕事をされているようでしたよ。」
「ああ、未来の夢を見ていたんだ。滑稽なアンドロイドの話でな〜。
助けようとした人間を見殺しにしたんだよ・・・・・まてよ・・・。」
「どうしたのですか?」
「あれがこうなってこうで・・・・!?おい!!」
「はい?」
「新潟に飛ぶぞ!」
「新潟ですか?」
「いけばわかる、いけばわかるぞ・・ふっふっふっふ。」
「では急いで航空チケットをとってきます!」
「いや、車で行かなきゃならない。」
「車で?なぜですか?移動に時間がかかるのでは・・・。」
「その時間がこの事件の鍵を握っているんだよ。」
「わかりました!レンタカーを借りてきます!」
「おしゃれな車を頼む!」
「はい!」
2008年8月17日日曜日
においの星があるという。
本日の午後NASAより発表された衝撃的なニュース。
地球から遠くはなれた場所に、
人類と同等の生命体のいる星が発見されたという。
聞くところによると、
その星は光の届かない真っ暗な星なので、
生命体は見るということは無い。
5感で例えるところの視覚が存在しないのだ。
そのため聴覚と嗅覚が地球人に比べ飛躍的に発達していると思われる。
もしくわ、それ以外の知覚があるのかもしれない。
地球人は視覚中心で生活を送るが、
この星の生命体がにおい中心であったならばどうなるか。
物事は視覚による認識が主なため「におい」は、補足的、抽象的な位置づけにある。
つまり、「りんごのにおい」というように、
通常、元素以外で匂いは確立されることはきわめて少ない。
なにかイメージの難しい臭いが漂っているとき、
何の臭いだろう、あの臭いに似ている等と、
具体的なイメージを持とうとする。
そのイメージとは視覚的なもの。
通常は見ることにより対象を捉え、
順に臭いや触感、音などにより物体の情報を総合的にとらえることで、
存在を確立、認識し他人と共有する。
この運びではなく、
臭いの星では地球で言うところの視覚が嗅覚にあたる為、
臭いが主な認識となる。
だので、
「赤い林檎に〜くちび〜るよせ〜て〜」が、
「○○(臭いの名詞)〜○○(臭いからくる物体の名称)に〜お鼻〜をよせ〜て〜」
もし地球が嗅覚中心の星で、
文化が発達していたならばどのようになっていたのだろう。
Aの臭いは林檎の臭い
↓
林檎だ。A(形のイメージ)。
こんな世界かもしれないと思うと衝撃的だ。
NASAはその星にロケットを飛ばす準備をしているらしく、
早く解明してほしいものだす。
と、庭先のペロがつぶやいていたのを、
母親は思い出し、父親に告げた。
すると父は言った。
「母さん、俺はたらくよ。」
「あなた〜!」
「警部!あの家怪しいんじゃ・・・。」
「ああ、あの男ははたらくはたらくと言って、
なかなか行動に移さないらしい。
今回のこの決意も怪しいものだ。」
「・・・・・。」
「腹が減ったな、とりあえず飯を食って力を蓄えるか。」
「そうですね。」
「よし!今日は俺のおごりで焼き肉と行くか!」
「うす!ありがとうございます!」
「ここで言う焼き肉は臭い中心世界で焼き肉だぞ!」
「すんません、自分、よくわかんねっす!」
「まあいいいくぞ!」
「うす!」
警部と部下は鹿児島駅近くの焼き肉屋へ言った。
2008年8月16日土曜日
ボクを見つめるカノジョに恋をした。 上
夏期講習夏期講習の毎日で一年中休まる日が無い。
おまけにボクは男子校で浮いた話の一つもない。
いつもと同じ顔と会い休み時間には一様に、
「カノジョが欲しい!」
「海にナンパしにいこーぜー。」
話題にはあがるもののそんな暇もない。
そんなある日の通学中の出来事だった。
ボクはいつも通り駅を降りて学校へ歩いていた。
住宅地に立つアパートの前を通りかかったとき、
ボクは彼女と出会った。
カーテンの間からからこちらを、いやボクを見つめている。
美しい長い髪と清潔な服装のカノジョは、
真夏の暑さと蝉の声をボクから消し去った。
少し微笑んだカノジョに、もちろん声をかけられるはずも無く、
ボクは思い出したかのように足早にアパートの前を立ち去った。
授業に集中できない。友だちから何があったのだと聞かれても、
自分だけの秘密だ。もしカノジョになってくれたなら、
皆に自慢とともに紹介しよう。
でも、大人の女性が高校生になんて興味ないよな実際・・。
ボクは徐々に現実を考え始め自分にガッカリとした。
帰り道、カノジョに逢いたくてアパートの前にさしかかる。
だけど足を止めた。もしかして他のものを見ていたんじゃないのだろうか。
ただのボクの勘違いじゃないのだろうか。そうだったらなんて赤っ恥だ。
ボクは自分のめでたさに恥ずかしくなり駅まで一心不乱に走った。
息切れとともに電車に乗り込み、もう考えないようにしようと思った。
その晩はひどく悲しい気持ちになり眠りにつけなかった。
いろいろ考えた。
今まで自分は思う人ができても好きと言えず
後悔をいくつか変えているだろうか。
自分の気持ちを伝えることの怖さ。
残念な結果しかイメージされない自分への哀れみ。
でも、もしつきあってくれたなら絶対幸せにする。
そこで出た結論はなかった。
ただ、もう一度でいいから逢いたいと思うと、
涙がこぼれそうになった。
小1時間ほどの仮眠で家を出た。
体が重いが意識はハッキリとしている。
ひと目みたらあきらめよう。
ボクは電車に乗り込んだ。
ボクを見つめるカノジョに恋をした。 下
駅からカノジョのアパートまで、
たった2歩で着いたかのように思う。
アパートをゆっくりと見上げる。
するとカノジョが赤いシャツを着て立っていた。
ボクの心臓は破裂しそうだ。
今日は目が合うなんてものじゃない!
見つめ合っちゃってるもんね〜。
かすかに微笑んで見えるカノジョの顔をみて、
ボクははっきりと「彼女が好きだ!」という決心がついた。
ボクはなにげに小さく手を振り、
学校へと走った。
やった!カノジョはボクのことを意識しているんだ!
2日連続で顔を合わせるなんて探しているからに違いない!
じゃないと逢える訳が無い!
きっと通学するボクをみて好きなったんだ!
その日の授業は、
どのように告白するか、
手紙ならこうでとにやけ半分、真顔半分と、
どちらも青春まっただなかだった。
学校終わりに道から声をかけるには、
朝のように窓際にいないと行けないから・・。
でも声をかけているところを友だちに観られたくないから・・。
部屋の位置を把握して呼び鈴を・・・いやいや、
やっぱり手紙をしたためてそこに携帯とアドレスを書いておこう。
うん、これだな。
ボクはこんな初めて手紙を書いた。
そして極度の緊張とともにカノジョのアパートへと向かった。
音を立てずにそ〜っとポストに投函し、
一目散に駅へ向かった。
そんなボクの姿は滑稽に写っただろう。
その日の晩もまた眠りにつけなかった。
そう、携帯に連絡があるはずだと。
だが携帯には一向にメールも着信も無い。
やっぱり勘違いだったのかな。
それともまだ手紙を読んでないのかな。
ボクの胸には不安しかこみ上げてこない。
苦しいとはこういうことか。
太いヘチマがうねりながら胸の中を進んでいく。
うん、夏らしいってそんなこと考えてる場合じゃない。
5分に一回が1分に一回となり、
しまいには携帯の液晶をにらみつけていた。
目覚ましが鳴った。
いつの間にか眠ってしまったらしい。
着信もメールも無い。ボクは愕然とし、
同時に羞恥心でいっぱいになった。
もう、あのアパートの前は通れない・・・。
でも、もしかしたら直接返事をくれるんじゃ・・
なわけないか・・・。
ボクは足取り重く夏期講習へと向かった。
電車が着いてしまった。
駅から降りて道路を眺め、
どちらの道から行くか悩んだ。
カノジョの家の前を直前でさけて通ろう。
完全に離れることは今はできず、
せめて近くにだけという切なさだけが残った。
足を進めていくとどんどん心臓の鼓動が増していく。
逢いたい。悲しい。逢いたい。悲しい。
この2つだけしか考えられない。
・・・よしここで曲がろう。
ボクはアパートの裏側の道へ回った。
カノジョのことは忘れよう。
そう思い涙をこらえていると、
周りが何やら騒がしい。
警察が数人来ている。
・・・ちょうどアパートの付近だな。
かけよってみたところ、
アパートにはパトカーが数台とまっていた。
ボクは心配になり野次馬のおばさんに尋ねてみた。
「この騒ぎは何なんですか?」
「いや〜怖いわね〜。アパートで首つり自殺があったらしわよ。」
「首つり自殺?」
「2階の部屋らしいわよ。通報があって大家さんと警察が
部屋に入ったら若い女の人が窓際で首を吊ってたんですって。」
ボクは一体・・・。
「なんだか、2日目には口から血が流れてたわしいわ。いや、
こわいわこわいわ〜。」
ボクは一体・・・。
ボクは一体・・・。
混乱する頭の中はボクを地面へへたり込ませた。
「では、ご苦労様です!あっ警部!どうもアパートで
若い女の自殺があったらしいですよ。
日本はどこも平和じゃないですね〜。青森は首都圏から
考えるとのどかな地域に思えるのですがね・・。
若くてきれいなのに自殺だなんて。」
「まったくだな。何も死ななくてもいいのにな。
ん・・・首つりで服が真っ赤に染まるだなんておかしくないか。
ちょっと仏さんを拝ませてもらうか。」
「ご苦労様です。ちょっと仏を見せていただけませんか。
あ、私こういうものです。」
「は、どうぞこちらです。」
「美人も死んじまったんじゃ〜な・・首にロープが・・・
こ、これは!!」
「どうしました警部!!?」
「こりゃあただの事件じゃなさそうだぜ・・。」
「もしかして・・・・」
「よし、鹿児島に飛ぶぞ!」
「はい!警部!」
2008年8月14日木曜日
私は王様なり!

青森県のりんご栽培者である
左甚五郎(76)さんによって発見された一枚の石板。
この一枚の板が切り開いた景色は、
誰も想像だにしないものだった。
日本有史以前、日本近辺の海は魚人が支配していたという。
日本海溝の最深部に巨大帝国「魚民」が置かれていた。
左さんは語る。
「 私はりんごの花が好きなんです。
開花前はピンク色で、開花すると真っ白になります。
代々私の家では、つがる、ふじのような定番の品種のみを栽培していました。
ですが、私の代からバレリーナを育て始めました。
都会生活の方でも、少しのベランダ余りスペースで栽培が可能です。
はい、庭で石板は拾いました。」
「左さん、巨大帝国『魚民』と林檎の収穫期について教えていただけますか。」
「りんごは品種を選べば11月末まで果実を鑑賞することができます。
樹上で完熟したりんごはりんご本来の美味しさあり、みなさんがスーパーで
手に取られるものとは全く風味が違い驚かれることだと思います。
ええ、『魚民』によく飲みにいきます。」
「左さん、居酒屋の魚民ではなくて、でんゼツの魚民の方をお願いします。
あと、林檎の受粉について教えてください。」
「リンゴは殆どの品種が自家受粉しません。
相性のいい品種を二本以上植えないと実が成りません。
『魚民』・・・海の底の以外は知らないな〜。」
「左さん、あなたもしかして・・・魚人の血を引いているのですか?
それよりも、りんごについてもっと詳しく聞かせていただけますか。」
「やっぱり害虫の問題はさけられませんね。
害虫の主なものはアブラムシ、ハダニ、ケムシなどです。
害虫は病気に比べて気がついてから駆除しても大勢には影響ないです。
ハダニには耐性ができないように殺ダニ剤を2、3種類使います。
魚人かどうかは分からないが、代々潜水が得意でね。
夜逃げするときは家族で海に逃げていたな。」
「時間が来ましたので一旦スタジオへお返しします!」
「林檎がとてもおいしそうでしたね。この続きは又来週!」
「警部!この番組好きですね〜。欠かさず観ますもんね。」
「まあな。ん?あのレポーターの後ろに写ってる・・・・
あ、あいつ青森にいやがる!おい、いくぞ!!」
「は、はい警部!!」
はいは〜い
ボクの右手に握られた・・
ゴリラと握手をした。
ものすごい握力だ。
砕かれそうになる前に、
砕かなければ。
「警部!ゴリラが男性と握手しています。
危険は無いのでしょうか。」
「ふれあいコーナーでもゴリラは聞いたことが無い。
もしかしたら襲われているのかもしれない!行くぞ!」
「はい!警部!」
「そこのゴリラまてまて!」
警部たちはゴリラに駆け寄る。
「ハイ、なんですか?」
「ゴリラに近づくなんて危ないじゃないか!」
「あ、自分はこの着ぐるみを来てチラシを配ってるんすよ!」
「警部・・よくみると作り物ですね・・・。」
「あ、ああ。おつかれさま。チラシ配りがんばってください。では!」
砕くか、砕かれるか。ゴリラなんぞに負けるか!
握手から始まる戦いもある。
「警部、最近の着ぐるみはよくできていますね。」
「いや、遠目からでなく近くで見ても分別がつきにくいなんて、
参ったな。」
「きゃ〜痴漢!助けて!」
「警部!」
「いやいや、着ぐるみだよたぶん。」
「そういえばそうかも知れないですね。」
「ひ、人殺しだ!助けてくれ!」
「警部!」
「メイクだろ。」
「さすが警部!経験で分かるんですね!」
「ふふ、まあな!」
ボクはゴリラの手を砕いた。
その日の夕日はゴリラ色だった。
2008年8月12日火曜日
ライトアップ
開演のベルとともにざわめきは開場から消え、
拍手とともに緞帳があがった。
この舞台が私の最後。
初舞台を4歳で迎え
外の世界も知らず、ただただ長い間この上で生きてきた。
それも今日で最後。
私がステージ現れると一層拍手が大きくなった。
「今宵の月は・・・良い月じゃ・・。」
「あ、すみません。」
私の肩に女形がぶつかり手荷物を落とした。
「おっと、気いつけなさいよ。ささ、荷物を。」
拍手がやまない。芝居に集中できない。
シーンはかわり、殺陣のシーンへ。
「いやっ!たっ!」
ばったばったと流れるように15人をきっていく。
この舞台の見せ場の一つだ。
拍手がやまない。観てくれているのか。
生き別れた娘との再会のシーン。クライマックス。
会場からはすすり泣く声。
をかき消す割れんばかりの拍手。
最後の挨拶。
「これまで40年間この舞台に立たせていただきましたが、
今日で皆様ともお別れです。」
会場からは
「やめないで!」
「まだまだやれる!」
「おつかれさま!」
等の温かい言葉
をかき消すほどの拍手。
「あの私も引退を考え始めましたのは・・・・」
「パチパチパチパチ」
「う、うんっ!あのですね!引退を考え始めましたのは!」
「パチパチパチパチ」
「ちょっと・・・」
「パチパチパチパチ」
「みなさんあのですね・・・」
「パチパチパチパチパチパチ」
「ありがとうございました・・・・。」
こうして私の役者人生は幕を閉じた。
2008年8月10日日曜日
サムライ
配下はみんな死んでしまった。
この廃寺の縁の下で2日間身を潜めている。
じめついた土にさし込む光の先には、
走りまわる侍の膝が見える。
私?
私はペリーです。
もう2日何も食べていません。
ああ、神様。私も命を奪われてしまうのでしょうか。
このままでは死んでいった配下にも申し訳が立たない。
いっそ
侍が憤慨する前に私が握っていた「せんす?」で一矢報いるべきなのだろうか。
「おい!ペリーはどこだ!おらぬ!おらぬぞ!
どこにもおらぬではないか!え〜い!さがせさがせぇ!」
ああ、神様このセンス?であの刀に立ち向かうことはできるのでしょうか。
一体なにをしてしまったのでしょう。なぜ彼らは怒っているのでしょう。
「くそ〜、あの異人め!どこに隠れおった!いまいましい!」
ああ、神様。このSENSUで如何様に立ち向かえとおっしゃるのですか。
このようにパラパラパラと開くだけではないですか。
「ペリー・・・。」
頭の中に声がしみ込んでくるようだ。
「ペリー・・・。」
「その声は・・・神様・・ですか。」
「そのようなものだ。お前はなぜ隠れておるのだ。」
「命が危険にさらされているからです。」
「お前はなぜ命を狙われるのだ。」
「日本国の代表にブレイをはたらいたからでしょうか・・・。」
「そのお前のBUREIのために何人落命したと思うのだ。」
「5000人です。」
「ならばお前はその5000人の為にどうするべきだと思うのだ。」
「はい、この a folding fan で立ち向かうべきなのでしょうか。」
「そのようなことで皆が浮かばれると思うのか。」
「では私は・・・一体」
「いたぞ!ペリーがいたぞ!!縁の下だ!!」
私は数人の侍に引きずり出された。
「貴様〜、よくもよくも!すぐに胴と切り離してくれるわ!」
「ああ、神様私は死ぬのでしょうか?助けてください・・ああ・・」
そのとき、扇子が金色に輝き始めた。侍たちがどよめく。
「なな、なんだこの美しい光は。なんという神々しさだ・・・。」
侍たちは刀をさやにおさめていく。
「ああ、神様・・・私をお助けくだあるのですか・・・。」
「神々しさが何だ!ええ〜い、切れきれ!」
ペリーは境内にて落命した。
2008年8月9日土曜日
ある研究機関でのやりとり
「教授、日夜研究を重ねて参りました。」
「うむ、君のように優秀な研究員がいる当研究所は幸せだ。」
「ただ、十五年研究してきまして解けないなぞがあるんです。」
「なんだね?」
「なぜ、うんちが臭いかです。」
「ははは、簡単なことじゃないか。」
「どんな科学調査もデータも真実に導いてくれないのです。」
「それは精神論だからだよ。」
「精神論?」
「そうだ。考えてみたまえ。うんちが仮に皆に好まれる匂いだったとしよう。
すると我々はその保存や部屋のインテリアとしてしまうだろう。アロマテラピーのように活用するかもしれないね。」
「確かに、良いにおい塊を集めて彫刻等を行うかもしれませんね。詳細は異なりますがコアラのように
排泄物を摂取することでエンドレス食料とするかもしれません。・・・・所長!」
「さすがに勘がいいな。そうだ。水洗トイレ等はなくなり世界中にうんちがあふれかえる。」
「うんちから離れられない・・・・科学が発達しない・・・。」
「そうなんだ、うんちには魔力があるんだ。そのためにうんちは自分からはなれさせる為に
わざと臭いのだよ。」
「臭いことで自分の身の回りから遠ざけ、または自分が遠ざかることで行動範囲が広がり、
新たな発見や経験に繋がる。」
「そのとおり。うんちが臭くないかったら今の我々は無いんだ。」
「まさに、(糞を見てせざるは勇無きなり)ですね。うんちの魔力をコントロールする研究に切り替え、
世界のエネルギー問題や建築、食料問題等の解決の糸口をつかんでみせます!」
「よろしくたのむよ。君の代名詞が(うんち男)になるように願っているよ。」
「はい教授!うんち男になってみせます。」
「ちょっと呼んでみちゃおっかな〜?うんち男君!」
「はい!」
「うんち男君〜!」
「はい!」
「う〜んち男君!」
「はい!」
「う〜んち〜男くっふ〜ん!」
「ふぁ〜いい〜。」
「世界の未来を頼んだよ。」
「かしこまりました。」
2008年8月8日金曜日
梅星
地球から車で5000年かかる梅星。
車種によっては4500年で着くという。
また、運転手の技術によっては4800年で着くという。
技術が高く、車種も良ければ4300年まで縮められる。
また、ドライバーとの相性が良ければ4200年。
給油がタイミングよく行うことができたならば4100年。
特に交通規制がかかって無ければ4000年。
スペースパイレーツに捕まらなければ2000年。
すぐに釈放されれば2300年。
一心不乱に突き進めば1700年。
1日の睡眠時間を4時間におさえれば900年。
ドライブスルーですませるなら700年。
手製の弁当をむさぼれば400年。
親切な宇宙人に改造してもらえれば15年。
親切でない宇宙人の改造なら3年で通り過ぎとまれない。
UFOにのったなら3時間。
梅星は辺境の星。
「警部!静岡駅に着きました!」
「よ〜し、腹ごなしにストリップ劇場で聞き込みだ!」
「はい!」
2008年8月6日水曜日
ここは前に来た道

「ここはま〜えにきた〜みち
川沿い〜のみち〜。」
鼻歌まじりに家路につく。
夏の暑い日差しも、
この時間帯にはもう及ばない。
こうこうと輝き始める自動販売機にパンチ。
黄色い点滅になり始める信号機にキック。
つまらないことをする自分にファンタグレープ。
片手で缶を開けのどに注ぎ込む。
炭酸の粒がのどに突き刺さる。
その空き缶にヘッドバット。
すれ違った女子高生をロメロスペシャル。
警察が自分にSTO。
気がついたときは格子の中。
その格子にやさしくキッス。
「警部!早くしてください!」
「わかってる!おばちゃんおつり!」
プシュー。
「間に合ってよかったですね、まったく。」
「すまんすまん、このお弁当がないとな。」
警部と部下は静岡に向かうところだ。
どうやら山が見えたらしい。

