2008年10月28日火曜日

NO.1


その女は、ヒョウ柄の服を脱ぎ捨てこういった。

「私もね、昔はヒョウ柄の服なんてきていなかったのよ。
あんな服を着るだなんてどういうセンスをしているのかって
思っていたわ。」
「ではなぜ服を着るようになったんですか?」

女はロングのメンソールタバコを深く吸い込むと、
勢いよく吐き出しながらこう答えた。

「ぶはぁ〜ぁ若い頃の私は引く手も数多で、
男を振り切るのも大変だったの。
今思えば、若いっていうのは最大の魅力なのよね。
男を狩る必要なんてなかった。
ぶはぁ〜ぁあれは寒い冬のことだったわ。
寒さが体にしみて、早く家に帰りたくて小走りになったの。
すぐに息が切れてしまって歩き出したの。
私も年を取ったと感じていたところ、
私の周りは静かなもので、
ぶはぁ〜ぁ男の姿が見当たらなかったの。
恋愛、結婚、子育て、世間体。
ぶはぁ〜ぁこれはまずいわ!と思い、
まずは男に近づく為に、
男を追いかけ回すようになった。
そうしているうちに、
気がつくと、
私の服はヒョウ柄になっていたの。
そう、狩らなきゃいけない人間は、
ヒョウ柄をきるのよ。」
「・・・・・・。」
「まず、前金で1万円渡しておくわね。」
「・・・・・・。」
「最近ではもう、狩る元気もないから
買っちゃうのよね。
あなたを旦那にするにはいくら必要なの?」
「・・・・・・。」

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